薬剤師国家試験のための勉強において、役立つテキストの一つが過去問題集です。過去問題集はただ過去の問題を集めているだけではありません。過去問題集から、試験の傾向や出題範囲、どの程度正解できれば合格できるのかも知ることができるのです。 そこでこの記事では、過去問題集をどのように活用すればよいのか、詳しく解説します。
出題傾向と出題範囲を知る
まず重要なポイントは、過去問題集は試験の出題者から受験生へのメッセージである、ということです。なぜなら試験に出題される問題は、薬剤師として当然そのことを知っておかなければならないことだからです。
それでは、薬剤師として知っておかなければならない知識とは一体どのような知識であり、どの程度の範囲を指すのでしょうか。そのことを知るためには、過去問題を繰り返し解くしかありません。過去に頻出している問題があれば、それは薬剤師として知っておかなければならない知識だといえるでしょう。そのような問題は、次の試験でも出題される可能性が高いです。例えば、病態や薬物治療、薬理、薬剤といった分野が出題傾向の高い分野として挙げられます。こうした出題傾向を知るためには、最低でも3回程度、過去7年分の過去問題集を解くようにしましょう。
なお、このときにしてはいけないのが、問題の回答を丸暗記してしまうことです。いくら頻出問題といっても、同じ問題が同じ形式で出題される可能性は低いです。そのため、頻出問題や頻出分野については解説をよく読み、回答ではなく内容そのものを理解することが大切です。
問題の難易度を知る
出題される問題には正解率の高いものとそうでないものがあります。過去の試験では、第102回で201問、第103回で197問、第104回で210問が正解率70%以上となっています。正解率60%の場合、第102回は251問、第103回は231問、第104回は252問です。
薬剤師国家試験で合格するためには正解率60%以上が必要だといわれています。つまり、すべての問題が解ける必要はなく、およそ225問程度を解ければ合格できる、というわけです。過去問題集を繰り返し解き、正解率60%以上の問題を落とさずにすむようにしましょう。
まとめ
過去問題集は一度通してやったら終わりではありません。何度も繰り返すことで、出題範囲や出題傾向、問題の難易度を知ることができます。過去問題集を解くなかでわからないところや間違いがちなところがあったら、その部分を参考書でしっかり復習しましょう。そうして正答率を高めていくことが大切です。