研修認定薬剤師に興味があるものの、薬剤師としての日々の仕事に追われて、確認できていない人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、研修認定薬剤師を取得する方法とメリットを紹介します。研修認定薬剤師に興味がある方は、ぜひご一読ください。
研修認定薬剤師制度とは?
薬剤師資格には更新がありません。しかし一方で新しい薬は次々に開発され、診療報酬も改訂されます。そのため、薬剤師は常に自己研鑽をかかさず、医療情報をアップデートする必要があります。
研修認定薬剤師は、公益財団法人 日本薬剤師研修センター(以下、研修センタ-)が認定する、薬剤師の生涯研修をバックアップする制度です。
2016年には「かかりつけ薬剤師制度」も発足しました。高齢化社会を踏まえ、高齢者が複数の薬を一元管理し、安全に、効果的に服用できるようにすることなどが目的です。もちろん高齢者以外の人も、薬の副作用から飲み合わせ、健康全般の相談まで可能です。
患者が指名することで毎回担当するかかりつけ薬剤師になれますが、診療報酬として「かかりつけ薬剤師指導料」を得られるのは、一定の施設基準を満たし研修認定薬剤師を置いている薬局だけです。
研修を受けるには、最初に研修センターの認定電子システム(PECS)に個人登録する必要があります。正しく登録されていないと、研修受講単位が付与されません。研修内容は倫理や法令、基本的職能などの、薬剤師業務を遂行するのに必要なものです。研修の種類は集合研修や自己研修、e-ラーニング研修など8種類となっています。
初めてのときは、申請日から4年以内に40単位以上の取得が必要です。認定期間は認定日から3年で、更新申請に必要な単位は30単位ですが、毎年5単位以上の取得も条件となります。認定審査に通ると、研修認定薬剤師証(認定証)が交付されます。
研修認定薬剤師を取得するメリット
勤勉な薬剤師でも、日々の業務をこなしながら研鑽を積むのは難しいものです。研修認定薬剤師制度を利用することによって、講師から知識やスキルを学ぶことができ、個人の意欲だけに依存せず薬剤師資格に磨きをかけることができます。3年ごとに更新があるので、新しい知識を持つことを客観的に示せます。
認定薬剤師を育てようとする職場では、就職後に取得支援制度を利用して資格を得ることが可能です。かかりつけ薬剤師が研修認定薬剤師を取得していれば、患者は最新の知見を持つ薬剤師に24時間、健康相談ができるので安心です。高齢化社会にともない、研修認定薬剤師の需要は、今後拡大するでしょう。
まとめ
研修認定薬剤師は薬剤師の情報のアップデートを支援し、最新の医療知識や薬剤師としてのスキルを持つことを客観的に示せるものです。所定の期間内に、必要な時間数の研修を受けることで単位が付与されます。
研修認定薬剤師を取得することで、ほかの薬剤師との差別化を図れます。キャリアアップしたい人はぜひ取得を目指してみてください。