調剤薬局やドラッグストアなどで白衣の薬剤師から薬に関する丁寧な説明を受け、「自分も薬剤師として働きたくなった」という人もいるでしょう。薬剤師資格は、独学で取得できる人とできない人がいます。
この記事では薬剤師資格を独学で取得できる人、できない人の違いについて解説しています。ただし独学で取得できる可能性のある人でも、独学での取得はかなり厳しい道のりです。確実に取得するためには、本気で取り組む姿勢が大切です。
独学で薬剤師資格を取得できない人
薬剤師資格を独学で取得できない人は、薬剤師国家試験の受験資格のない人です。学校教育法の改正により、平成18年からは薬剤師養成のための薬学教育は6年制となっています。4年制の薬学部もありますが、卒業しても薬剤師国家試験の受験資格はありません。
学校教育法の改正にともなって、薬剤師法も改正されました。薬剤師国家試験を受けられるのは、原則として薬剤師を養成する6年制の大学の学部・学科を卒業した人です。
したがって、現在すでに社会人となっている人が薬剤師国家試験を受けるには、受験資格を取得できる大学を卒業する必要があります。
薬剤師資格を取るには必ず大学で学ぶ必要があるため、受験資格のない人が独学できるのは、薬剤師の養成大学の受験までとなります。
独学で薬剤師資格を取得できる人
独学で薬剤師資格を取得できる人は、6年制養成大学の既卒者と、旧4年制養成大学を卒業した受験資格認定者です。
厚生労働省が発表した令和5年、第108回の薬剤師国家試験の合格率は、既卒者が44.05%、受験資格認定者が36.65%です。全受験者の合格率が69%、新卒者の合格率が84.86%であることから考えると、大学を卒業してからの合格が難しいことがわかります。
既卒者・受験資格認定者の合格率は、独学の人のみを指していません。薬剤師国家試験の対策予備校などに通った人も含まれています。独学で合格した人の割合を知ることはできませんが、独学の場合は徹底した自己管理と弱点の把握、勉強法の確立などが必須です。目の前にライバルがいないため、モチベーションを保つのにも苦労します。受験勉強を、就職活動と並行して行なう必要も出てくるかもしれません。
独学で試験に臨む場合には、授業料がかからず、自分でスケジュールを調整してアルバイトなどに時間を使えるメリットがあります。
なお、薬剤師国家試験には受験回数の制限がないため、受験自体は何度でもチャレンジ可能です。
まとめ
独学で薬剤師資格を得られるかどうかは、学歴によって異なります。6年制の薬剤師養成大学を卒業していない場合は、大学入試までが独学可能です。
養成大学を卒業後であれば独学ができますが、自己管理をして、高いモチベーションを保ち続けることが合格のカギとなります。